2018年春、2011年ごろから谷正和教授のチームと取り組んできたバングラデシュのテクナフ半島にける森林破壊と地域の人々の生活に関する共同研究の成果が一冊の本として出版されました。
研究室は、屋敷林、ソーシャルフォレストの調査を中心に進めました。屋敷林は換金作物である檳榔樹を中心に植えられているものの、その他、多くの果樹や有用樹種が植えられ、人々の生活になくてはならないものとして良く保全されています。
一方、その周辺の国有林は広く盗伐が繰り広げられ、政府は地域の協力を得るためにソーシャルフォレスト(分収林)の育成を進めています。主に10年伐期のアカシモニが広く植えられているものの、地域によっては依然、盗伐が行われておりました。
本書は、バングラデシュと日本の研究者が多角的にその真相にせまる研究を展開したものです。
現在、このエリアには、ミャンマーから30万人近くのロヒンギャの難民が避難しており、難民キャンプが国有林の隅々に広がりつつある状況です。貧困の中にも、自然と共に暮らす人々の姿が見られ、多くの問題の解決が今後も求められています。